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2025年 12月18日
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大林組、不二サッシ、伊藤忠メタルズ3社共同による、建設・解体現場由来のアルミスクラップを用いた水平リサイクルフローを構築。新築建物におけるアルミサッシとして再生利用を実現
伊藤忠メタルズ株式会社(本社:東京都港区、社長:中谷次克)は株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:佐藤俊美)と、建設資材における循環型経済・脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環として、不二サッシ株式会社(本社:神奈川県川崎市、社長:江崎裕之)と連携し、大林組が請け負う解体工事で発生するスクラップからアルミ材を選別回収して、アルミサッシに再生し、再び大林組の建設現場で利用するまでのトレーサビリティを明確にした水平リサイクル(※1)フローを構築しました。

1 社会的背景
2050年カーボンニュートラル実現を目指し、建設業界では建設物のライフサイクル全体のCO2排出量であるホールライフカーボン(※2)の削減につながる取り組みを進めています。その中でもアップフロントカーボン(※3)の削減は建設会社による貢献度が高いため、建設物の設計、施工段階で、リユースやリサイクル建材を積極的に採用していく資源循環の取り組みが、資源有効利用促進法の観点でも重要です。
伊藤忠メタルズは大林組と資材製造時のCO2排出量が大きい鋼材に着目し、2024年11月に鉄スクラップの水平リサイクルフローを構築するなど、リユースのための設計手法の検討、技術開発や、リサイクルのための最適な輸送フローの構築といったさまざまな建設資材の循環利用に取り組んでいます。
2 取り組みによる効果
本フローの適用第一弾として、東京都内の建物解体工事で発生したスクラップからアルミ材を選別し、伊藤忠メタルズが回収、加工、管理し、不二サッシに供給します。不二サッシは、回収されたアルミ材を原料化して、アルミサッシを製造し、大林組が施工する大林組技術研究所(東京都清瀬市)の「オープンラボ3(OL3)」新築工事第2期部分で利用します。この取り組みにより、新材のみを利用したアルミサッシに比べ、製造時CO2排出量を約80%削減します。また、今回の取り組みでは、排出元と再利用先を特定し一連の作業をサッシ工場近郊エリア中心に完結させるフローを構築したことで、輸送によるCO2排出量も軽減しています。
3 今後の展望
伊藤忠グループは地球環境問題を経営の最重要課題のひとつとして捉え、環境マネジメントシステムの継続的改善を図り、ステークホルダーと協力して事業のライフサイクルを通じた環境負荷を低減し、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献する事を環境方針としており、資源の有効活用プロセス確立に今後も取り組み、循環型経済と脱炭素社会の実現に貢献して参ります。
伊藤忠メタルズ株式会社は伊藤忠グループの一員として、グループ企業理念である「三方よし」のもと、事業活動を通じ環境や社会問題に対応することで持続可能な社会の実現にこれからも貢献します。

※1 建設業界で掲げる水平リサイクルについて
コンクリート塊を再生コンクリート骨材、アスファルト・コンクリート塊を再生アスファルト合材として再生利用するなど、建設廃棄物を元の建設資材に再生資源化することや、貴重な資源を最終処分せずに有効利用を進めること
※2 ホールライフカーボン
建設資材の製造、輸送を含む施工、運用、解体、廃棄されるまでの建物のライフサイクルで発生するCO2排出量
※3 アップフロントカーボン
建設資材の製造段階(原材料調達、輸送、製造)および、施工段階(現場への輸送、施工)に発生するCO2排出量
問い合わせ先
伊藤忠メタルズ株式会社
金属原料事業部 東京金属リサイクルグループ 担当 中込・安達